当山の密教法具のご紹介です。
密教の法要中で、花を散らしながら声明を唱える「散華(さんげ)」というものがありますが、その際に華をいれる法具を「花籠」といいます。
読み方には、「はなかご」、「けこ」の二通りがありますが、どちらの読み方をするかで、その人がどの流派で学んだかが分かります。
こちらは当山の花籠。今も現役で使われているものです。
花籠から下がっている3本の紐は、全て茶色です。
最近のものは白、赤、緑の三色が主流で、白を前方にして持つという決めごとがありますが、古くは茶色一色であったと言われているのでこれがかなり古いものであるということが分かります。
入れてある箱の側面を見ると、
弘化三(1846)年の四月に灌頂を行う際に、新しく追加&修理を行ったと書かれてあるので、こちらが作製されたのは少なくとも175年前ということになります。
以前は当山で灌頂を行っていたということ、そしてこのように古いものがまだ当たり前のように使えていることに驚きです。