「不許葷酒入山門」という言葉があります。
よく、禅宗のお寺の門の横にある石柱に書かれています。
本来は「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」と読みます。
修行の妨げになるので「葷(くん)=ニラやニンニクなど、臭いがきつく勢力がつきすぎるもの」や、お酒はお寺に持ち込んではいけない。
という意味なのですが、同じ言葉でも区切る場所や返り点を打つ場所を変えて読むと色々な解釈ができると、以前ある師が教えてくれました。
急に思い出したので忘れないようにここに記しておきます。
1.前述のように普通の読み方「不許葷酒入山門」では、
「葷酒山門に入るを許さず」となり、どちらも持ち込むことは許されません。
2.次に、「不許葷、酒入山門」というように切って読むと、
「葷は許さず、酒は山門に入る」となり、お酒は持ち込んで良いことになります。
3.最後に、「不許、葷酒入山門」のところで切って読むと、
「許さざれども、葷酒山門に入る」となり、結果、両方持ち込んでしまいました(笑)
なんだか凄い屁理屈ですが、巧いなと思い頭に残っています。