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平成9年に、私の所属している真言宗の青年会で、檀家さんにアンケートを取ったことがあります。
自分の宗教に対する意識、僧侶に対する意識、これからの青年僧侶に求められるものなど、全部で40項目以上のアンケートに協力して頂きました。
今回、青年会の会長さんに許可を頂きましたので、アンケート結果をご紹介していきたいと思います。
調査が8年前ということと、対象が檀家さん限定と言うことで、現在の状況とは異なっているかと思われます。
現在の状況を予想し、比較しながらご覧頂けると嬉しいです。
なお、アンケートの内容は、営利目的等に無断で二次利用しない様、お願いします。
まず第1回目は、オボウサンのイメージです。
Q.病院内でお坊さんの服装を見かけた時、どう思いますか?
(ア)ありがたいと思う 8.1%
(イ)違和感がある 42.3%
(ウ)何とも思わない 48.2%
(エ)無回答 1.2%
「ありがたい」と「違和感がある」を合わせると半数以上。
あたりまえとは思っていただけないようですね・・・。
実際、私もお見舞いに行く時には、洋服を着て行くようにしています。
私や、お見舞いの当人は平気でも、同室の方まで平気とは限りませんから。
Q.結婚式でお坊さんの服装を見かけた時、どう思いますか?
(ア)ありがたいと思う 9.5%
(イ)違和感がある 35.4%
(ウ)何とも思わない 53.8%
(エ)無回答 1.2%
病院の時よりは多少はマシですが、やはり違和感はあるようですね。
「葬式仏教」のイメージの根強さを感じます。
仏教にも「仏前結婚式」というものがあり、私のいるお寺でも、6回ほど仏前結婚式のお手伝いをさせて頂いたことがあります。
とはいっても、まだまだ「結婚式は教会、初詣は神社、葬式はお寺」というイメージが強いですね。(8年後の現在は「葬式=仏教」というイメージにも変化が現れ始めているような気がしますが。)
個人的には「仏教(オボウサン)=葬式」というイメージが悪いとは思っていません。亡くなった人を送るというのは大切な役目ですし、真摯に向かい合わなければいけない思っています。
ただ、長い歴史を振り返ると、お寺は葬式だけでなく、生きている人の幸せを願ったり、寺子屋として教育の一端を担ったり、書や画、彫刻、建築など文化の発信の場所だったりと、色々な顔を持っていました。
ですから、今のお寺やオボウサンも、根底に流れる仏さまの教えを、それぞれが色々な形で表現し、社会に関わり、役に立っていけたらいいなと思います。