雑感20191008ー生まれ変わり?

加持祈祷を行う信者寺の住職をしていると、時折「私は誰かの生まれ変わりだ」と言う人に出会う機会があります。

そういう方にありがちな、「昔はすごい人だったんだから、今の自分も尊敬しろ」と言う姿勢は、「私の若い頃はすごかった」と過去を自慢する人に似ている気がします。

「若い頃はすごかった」という話なら当時を知っている方もいるかもしれませんが、「前世はすごかった」と言われても、本当か嘘か確かめようがないので困ったものです。

また、本当に認められるべき人は、自分の若い頃をムキになって自己申告しなくても、周りから「あの人はすごかった」と語り継がれたり、「あの人には世話になった。」と尊敬されたりしています。

前世でも同じ。
生まれ変わり自慢をしなくても、その方の今の生き方が周りに認められたなら、「まるで〇〇の生まれ変わりのようだ。」という声が自然に出てくるかもしれません。

大切なのは今をどう生きているか。
今を頑張っているなら前世の力を借りる必要は無いと思います。

ですから、前世というものを利用して必要以上に自分を大きく見せようとしている方に対しては、

「本当か嘘か分かりませんが、あなたの前世が〇〇だったと言うのなら、〇〇の時は本当にに素晴らしかったですね。それならば今世では何をやってくれるか楽しみにしています。
しかし、『前世がんばったから今回の人生は一回休み』とか、『本当はやれば出来る子なんだけどやらないだけ』と考えて今世を過去自慢だけで乗り切ろうとしておられるのなら残念ですね。」

という気持ちで接しています。口には出しませんが。