不動胸飾りと五大明王の色次第

四国三十六不動霊場の各札所で一つずつ集めて完成させる胸飾りですが、三十六の玉だけで制作するとサイズが小さく、留め金を外さないと付けることができません。
そこで、少しアレンジを加えて、留め金を外さなくとも首にかけられるように、一回り大きくしてみました。

増やした珠は五色で十二個です。
不動明王の親玉と三十六の童子玉から成り立っていますが、このままでは五大明王が揃っていないので、五大明王の色次第に合わせた脇玉を加えてみました。

ちなみに、五大明王の色次第は、密教に基づくもの修験道に基づくものの二種類がよく知られています。

まず、密教に基づく五大明王の色次第は、金剛界五仏の教令輪身としての色次第です。

中央(白):不動明王ー大日如来
東(青):降三世明王ー阿しゅく如来
南(黄):軍荼利明王ー宝生如来
西(赤):大威徳明王ー阿弥陀如来
北(黒):金剛夜叉明王ー不空成就如来

仁和寺の五大明王の御朱印密教の色次第に則って作られています。

次に、修験道に基づく色次第は、陰陽道の影響を大きく受けているといわれています。

中央(黄色):不動明王ー土
東(青):降三世明王ー木 ※
南(赤):軍荼利明王ー火 ※
西(白):大威徳明王ー金 ※
北(黒):金剛夜叉明王ー水 ※

不動霊場は柴灯護摩をよく用いますので、今回胸飾りに採用した色次第は修験道に基づくものです。
なにかのご参考になれば幸いです。

また、四国三十六不動霊場は六波羅蜜の修行道場という位置づけになっていますので、サイズアップついでに、六波羅蜜をイメージした六つの玉を房にして取り付けてみました。

五大明王、三十六童子、六波羅蜜の教え、四国三十六不動霊場のコンセプトは一応これでアイコン化できたかなと思います。