雑感(20170413-1)

人生とRPG。

RPGでは、全てのアイテムをゲットし、全てのイベントを攻略し、レベルを最高に上げることが究極のゲームクリアであるならば、最終目標は何でも持っている同じキャラを育成することにたどり着く。
色んなジョブがあり、マルチエンディングがあったとしても、所詮、そのゲームを作った「誰か」が頭の中で考えた、「最終形のひとつ」になることがその世界での一番
同じ限界を目指し、同じゴールにたどり着いたことを確認して喜ぶ、そういう世界だからこそ、アイテム一つの取り忘れやイベント一つの失敗によってそのゲームは色あせ、リセットしたくなるか、達成感を失ったまま惰性で続けることになる。

人生では、現実世界をコンプリートすることなどありえない。

世界のアイテムの数は決められていないので、無限に散らばるアイテムで持ち物などすぐに一杯になる。
拾えるものを全て拾う余裕があるうちは、まだ何も始まっていない。
むしろ、持ち物が一杯になり、何を捨て、何を残そうかを考え始めたところからが、自分らしさ、本当の「個性」の始まり

また、人生では、

誰かの作ったジョブだけでなく、まだこの世に存在しないジョブもいずれ生まれてくる。
登場するキャラクター全てに出会うことは不可能。
キャラクターにNPCは存在せず、ただ遭遇するだけでイベントが発生するとは限らない。

だからこそ、思い通りにならないことがあるのは当たり前。

設定されたゴールのない、完成形の存在しないこの世界、わざわざ減点法で人生を色あせさせる必要はない。
自分にできることは、この世界で縁あって出会えたものから何を得て(input)、何を返す(output)かということ。

もし、人生にニューゲームがあったとしても、それはリセットではないと思う。
今、与えられたキャラを投げ出さず、どれだけ思い入れを込め、どれだけそのキャラを楽しんだかによって、その先が変わるのでは…。