オボウサンになって困ったこと

○○年間オボウサンをやっていれば、他の職業とは違う不便なこともあります。また、困った出来事に遭遇することもあります。

まず最初は、アンケートシリーズでもご紹介したように、病院に行く場合です。

法事の帰りに、そのままの格好でお見舞いに行くと、「縁起でもないものを見てしまった。」という目で見られてしまうので、そう言う場合には洋服も一緒に持って出かけたりします。

ですから、私の車(兼更衣室)には、今時カーテンが付いています。

次は、結婚式への参列。特に、誰でも出席できる教会での結婚式に案内を頂いた場合です。

当然目立たないようにスーツ着用で出席するわけですが、賛美歌やお祈りだけは「皆さんご一緒に」と言われても、どうしても固まってしまいます。

かといって、一人だけ吉慶の讃(←声明)などを唱えたりはしませんけどね。

他には、呪術的なものをクローズアップした映画やコミックの存在。

正直、超人的なものを求められても困ります。

最近では「陰陽師」、以前は少年誌連載の漫画「孔雀王」が映画化され、ヒットした時に色々なことを質問されました。

私は空を飛ぶこともできなければ、「裏高野」などという場所の存在も知らない普通のオボウサンです。

最後に紹介するのは、私がオボウサンになって間もなくのこと、もっとも印象深い思い出の1つです。

小学6年生の私に、ある日突然同級生から電話がかかってきました。

電話の内容は「みんなで こっ○りさん をやっていたら、間違って10円玉から手を離してしまった。助けてくれ!」とのこと。

何のことやら分からずに出かけていくと、油揚げを持った友達が待っていて、そのまま近所のお稲荷さんに連れて行かれてしまいました。

仕方がないので油揚げを御供えしたお稲荷さんに般若心経をとなえて帰ってきたのを憶えています。

今思えば、あれがオボウサンとしての、ソロデビュー・・・初仕事だったのかも?