先師忌のオボウサン用の引き物、いろいろ考えていたのですが、アイデアが期限までに形にならず、最もオーソドックスな帽子になってしまいました。
帽子といっても絹のマフラーのようなもの。
真言宗のオボウサンは冬の間は衣の上にこれをつけます。
冬の寒い日、嵯峨天皇が片方の袖を裂いてお大師様の首に掛けてあげたのが、その始まりだと言われています。
この帽子、真っ白な上に、冬の間中使われるので、汚れるのが早く、いわゆる「一生もの」ではありません。
ダブってもいつかは必ず使うものなので、オボウサンの引き物にはよく使われます。
今回は「困ったときの○○頼み」という感じになってしまいました。
新しい企画は次回にお預けです。
〈追記〉
帽子には「本帽子」と「半帽子」があります。
今回使った帽子は一般に使われる「半帽子」と言われるものです。
「本帽子」はこの倍の長さがあり、端が縫いつけられていて輪のようになっています。元が袖だった名残なのでしょうか。
本帽子は首に二重に巻いて使いますが、大きな法要の導師など、用いる場所が限られていますので、一度も使ったこともないオボウサンも少なくないと思います。