般若心経昇経段

箸蔵寺の、本坊からご本殿までの石段の段数は二百七十八段となっています。
これは仏教で最も読誦されている「般若心経」の文字数と同じです。
(般若心経の文字数は色々な数え方がありますが、二百七十八文字というのは「佛説」から「般若心経」までの全ての文字を入れた数え方です。)

経典にはその内容を実践することにより功徳を得られるものもあれば、その経典そのものに功徳があるものもあり、後者は、読誦する「読経」や、書写する「写経」、あるいはマニ車の様に経典の書かれた輪を回したりすることによって功徳を得られます。
般若心経は後者の代表的な存在です。

それならば、般若心経を心に感じながら一段一段を踏みしめて昇ることによっても、その功徳を得られるのではと考え、階段を昇る毎に経典の功徳が得られることを「昇経」と銘打ち、般若心経の文字が一文字ずつ彫られた石板を特別祈念し、石段の一段ごとに貼り付けた「般若心経昇経段」の整備を令和元年11月に設置致しました。

これによって、当山にご参拝される多くの皆様に「昇経」の功徳がもたらされれば幸いです。