箸のお話

歴史箸のマナーことわざお箸初め

にちなんだことわざや慣用句

参考資料:『成語林』(旺文社)

石臼を箸に刺す
(箸で石臼を突き通すことはできないことから)どうしてもできないこと、無理なことを言うたとえ。
だだをこねる。

大飯食らい箸を選ばず
ある目的を果たすためには、方法や手段などを気にかけないことのたとえ。

男と箸は固きが良し
男は丈夫で実直なのにかぎるということ。

重いものは箸と茶碗
食事の時の箸と茶碗ぐらいは自分で持つが、それより重いものは持ったことがないこと。
何でも他人にやってもらういい身分のたとえ。
類:「重いものは箸より外に持たず」

堅いものは箸ばかり
堅いものを口に入れたり手に持ったりしたことは箸以外にない。
過保護といえるほど大事にされ、ぜいたくの中で育つことのたとえ。
類:「重いものは箸と茶碗」

膳部揃うて箸を取れ
(食事は、料理が全部おぜんにのってから箸を取りなさいの意から)せっかちに食べ始めることへのいましめ。
また、物事は準備がすっかり整うのを待ってから始めよといういましめ。

たばこは箸で植えよ
たばこの苗を移植するには、霜害のおそれがないかぎり早いほうがよく、小さくて箸ではさまなければならないほどのころがよいいということ。

亭主と箸は強いがよい
軟弱な夫と折れやすい箸は困りもので、この二つは強いほうがよいということ。
類:「箸と主とは太いのへかかれ」、「箸と味方は強いほどいい」

箸折り屈みの兄弟
(箸は昔、一本を中央から折り曲げて使ったことから)深い縁で結ばれている二人の兄弟のたとえ。

箸が転んでもおかしい年頃
日常のなんでもない出来事にもおかしがる年ごろ。特に、女性の10代後半の年ごろをいう。
「箸の転んだもおかしい年頃」、「箸の倒れたのもおかしい年頃」ともいう。

箸で銜めるよう
「銜める(くくめる)」は口の中に入れてやる意。
(はしで食べ物を取って幼児の口の中に入れてやるように)相手がよく理解できるように懇切丁寧に教えるようすをいう。
類:「噛んで含める」

箸と主とは太いのへかかれ
箸は太くて丈夫なのがいいように、人に仕えるなら頼りがいのある主人がいい。
「箸と舅は太いのへかかれ」ともいう。
類:「箸と味方は強いほどいい」、「亭主と箸は強いがよい」

箸に当たり棒に当たる
腹を立てて関係のないものにまで当たり散らす。
八つ当たりする。

箸に虹梁
「虹梁(こうりょう)」は虹の形のように上向きにそりのある梁(はり)。
(箸は細く短いが、虹梁は太く長いことから)二つのものが比べものにならないほどの差があることのたとえ。
類:「月と鼈(すっぽん)」、「提灯に釣り鐘」など

箸に目鼻を付けても男は男
「箸に目鼻」は、やせた人のたとえ。
たとえひどくやせていても男は男で、みな相応に対応しなければならないということ。
類:「藁(わら)で束ねても男は男」

箸にも棒にも掛からぬ
(小さな箸にも大きな棒にも引っかからないの意から)どうにも取り扱いようのないたとえ。
また、何もとりえのないたとえ。
「箸にも掛からぬ」ともいう。

箸の上げ下ろし
日常のささいな一挙一動。
用例:箸の上げ下ろしにまでうるさく言われてはたまらない。
用法:細かなことにも口やかましく小言をいう場合に用いる。

箸より重いものを持たない
箸を持つ以上の労働をした経験がないこと。
裕福な家庭で何不自由なく育ち、大事に育てられることのたとえ。

箸を付ける
食べようとして物に箸をあてる。食べはじめる。
「箸を下ろす」ともいう。

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