薬師十二神将と十二支

薬師十二神将は、「除病安楽(病を除き、心身安楽に過ごす)」を含む、薬師如来の十二の大願を護持する守護神で、昼夜十二時四季十二月十二の方角に対し、いついかなる時も私たち衆生を守って下さいます。

1.宮毘羅(くびら)大将
2.伐折羅(ばさら)大将
3.迷企羅(めきら)大将
4.安底羅(あんちら)大将
5.頞儞羅(あにら)大将
6.珊底羅(さんちら)大将
7.因達羅(いんだら)大将
8.波夷羅(はいら)大将
9.摩虎羅(まこら)大将
10.真達羅(しんだら)大将
11.招杜羅(しょうとら)大将
12.毘羯羅(びから)大将

(尊名の読み方はこれ以外にも何通りかあります。)

現在は十二の神将に十二の干支が配当されています。
十二大願については機会があれば触れることにしますが、今回は薬師十二神将と十二支についてご紹介させて頂きたいと思います。

十二支に配当される「方角」、「時刻、」「月」、「十二神将の配当」は諸説ありますが、当山では最も一般的な以下の配当をご紹介します。

当山で授与されている薬師マンダラの色紙も、この配当を用いています。(くわしくはこちら

十二支 方角 時刻 十二神将
午前0時 11月 12.毘羯羅大将
北東やや北 午前2時 12月 11.招杜羅大将
北東やや東 午前4時 1月 10.真達羅大将
午前6時 2月 9.摩虎羅大将
南東やや東 午前8時 3月 8.波夷羅大将
南東やや南 午前10時 4月 7.因達羅大将
正午 5月 6.珊底羅大将
南西やや南 午後2時 6月 5.頞儞羅大将
南西やや西 午後4時 7月 4.安底羅大将
西 午後6時 8月 3.迷企羅大将
北西やや西 午後8時 9月 2.伐折羅大将
北西やや北 午後10時 10月 1.宮毘羅大将


これらを当山の薬師マンダラに書き加えてみました。

十二支と方角

子の方角を北として十二方向に十二支が配当されています。八方向ではなく十二方向となるので、八方を十二支で表すと、北東は艮(うしとら=丑と寅の間)、南東は巽(たつみ=辰と巳の間)、南西は坤(ひつじさる=未と申の間)、北西は乾(いぬい=戌と亥の間)となります。
また、赤道と直角に交わる南北に走る線(経線)のことを、別名「子午線(しごせん)」とも呼びますが、これは、子の方角(北)と午の方角(南)を結ぶ線だからです。

十二支と時刻

午前0時から、子の刻、丑の刻、というふうに2時間毎に順に変わっていきます。
ちょうどお昼の12時が午の刻となるので、この時刻が「正午」と呼ばれるのはそのためです。

十二支と月

干支に配当される月は、大陸より伝わった古暦との関連で、十一月から子の月がスタートします。
これに当てはめると、十月が亥の月の「宮毘羅大将」となります。
金毘羅大権現さま=宮毘羅大将さまと言われていますが、さぬきのこんぴらさんの例大祭が十月に行われることも、この亥の月に深く関連があるのではないかと思われます。

また、十二月と一月の境目は丑と寅の間となります。
先述の方角に当てはめると「艮(うしとら)」の方角は北東となり、鬼門と言われる方角になります。
真言宗では、壇上や道場に結界を貼る時は艮の方角から壇線や縄を張り始めて時計回りに一巡することが多いので、艮の角には結界の結び目ができます。
私の勝手な想像ですが、鬼門を守護するということには、このような「境目から悪いものが入ってくるのを防ぐ」という意味も含まれているのかもしれません。

十二支と十二神将

十二支に配当される十二神将は色々な順序があります。
一番目の宮毘羅大将が子から順番に配当される場合もあれば、亥から逆に配当される場合、それ以外にも色々な配当があります。
当山に伝わる金毘羅大権現さまのお姿は頭に亥を載せておられることより、逆の配当が用いられていることが判ります。

このように、十二神将は十二支と密接に関わりがあり、十二支にちなんだ時間、方角、月を守護しています。

これにちなんで、この度5月1日より、「十二の月」に対応した薬師十二神将の「月替わり特別御朱印」の授与を開始致しますので、準備が整いましたら告知させて頂きます。

4月23日
準備が整いましたのでご案内致します。お申し込みはこちら

薬師十二神将 月替わり特別御朱印