平成11年12月15日の寺報に掲載したものです。
ネットにアップしていないことに気付き、この度公開いたします。
四十九日について(三好郡・市の風習を元にしています。)
Q.四十九日とは何ですか?
A.仏教では、人が亡くなった場合、四十九日の間に成仏するという考え方があります。
四十九日を迎えるまでの間は「中陰(ちゅういん)」または「中有(ちゅうう)」と呼ばれ、人が死んでから仏さまになる間の宙ぶらりんの期間と言われています。
(中陰が満了することを「満中陰(まんちゅういん)」といい、四十九日のことを「満中陰」と呼ぶのはここから来ています。)
この宙ぶらりんの期間(中陰)が人が成仏するのにもっとも大切な期間といわれています。
この期間、亡くなった方に対し、心から成仏を願う気持ちをどれだけ伝えるかということが、その方の成仏に大きく影響すると言われています。
ですから、のこされた家族の方は四十九日を迎えるまでは、特に懇ろに供養していただきたいと思います。
また、ご親戚の方や、親しかった方も、どこにいても結構ですから、四十九日を迎えるまでは、毎日手を合わせて亡くなった方の成仏を願っていただきたいと思います。
Q.どうして四十九日に納骨を行うのですか?(三好郡・市での風習です。)
A.四十九日に納骨を行う風習は比較的新しく、火葬が行われるようになってからです。
土葬の時には四十九日もの間、遺体を家の中に置いておくことはとても無理でした。
しかし、火葬になってお骨をお家におけるようになったため、大切な四十九日の間、より近くでお祀りできるよう、納骨をしない習慣が定着したのだと思います。
ですから、四十九日よりも早く納骨をするのも間違いではありません。
ただ、その場合は四十九日までの間は毎日お墓参りをして頂くか、そのくらいの気持ちで日々お祈りしていただくことをおすすめします。
Q.四十九日が三ヶ月にまたがるといけないというのは本当ですか?
A.三好郡・市では四十九日が三ヶ月にまたがることを「三月掛(みつきがけ)」と呼んで嫌う風習があります。
例えば4月の下旬に亡くなった方の四十九日は6月になり、四十九日が4、5、6月の三ヶ月間にまたがるので三月掛けとなります。
この場合、例え日数が満たなくても5月の末に四十九日の法要を行うという風習が伝わっているのです。
「四十九(しじゅうく)日が三月(みつき)」と、「始終(しじゅう)、苦(く)が身(み)に付(つ)く」とをかけた語呂合わせが由来だといわれています。
日本語の語呂合わせである以上、大陸から伝わった仏教の教えではなく、日本の風習です。
仏教の方では、先程も述べたように「四十九日」という数字を大切にしてほしいと考えていますので、お寺の方から「お宅の四十九日は三月掛けですから、一ヶ月早くしましょう。」と言って三月掛けを奨励することはありません。
かといって、地元の風習を否定して、檀家のみなさんを不安な気持ちにしたいとも思っていません。
三月掛けが気になる方は、一ヶ月早めに法要をされても結構です。
ただし、早めに法要をされた場合でも、四十九日の当たりの日までは、のこされた方々は毎日一生懸命拝んで頂きたいというのが箸蔵寺からのお願いです。
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