酉年の本尊様、不動明王様のお話

平成29年(2017年)の干支は酉年です。
酉年の本尊さまは不動明王さまです。

なぜ酉年の本尊さまとなっているのかは諸説ありますが、お不動さんが背中にまとっている炎が「迦楼羅(かるら)炎」という、迦楼羅天の吐く炎、または迦楼羅天そのものという考え方があり、この迦楼羅天はインドの神話のガルダ(ガルーダ)という神鳥が前身と言われています。このあたりからお不動さまと鳥の関係が生まれてきたのではないかと一説には考えられています。実際、描かれたお不動さまの中には、炎の先端が鳥の頭の形になっているものもあります。

ちなみに、箸蔵寺の不動霊場の本尊のお不動様も…

どこに酉の姿があるか分かりますか?

 

 

少しアップしてみます

 

さらにアップ、これなら分かりますね!

 

干支の本尊様の中でも唯一の明王さま。
如来さまや菩薩さまが蓮華の上に座しているのに対し、盤石(ばんじゃく)や、瑟瑟座(しつしつざ)といわれる硬い岩の上に座すお姿は、揺らぐことない悟りを求める心を表しています。
また、菩薩さまが優しさをもって私たちを導くのに対し、不動様は相手を思いやる怒りを持って私たちを導いてくれます。
最も力強さや安心感を感じられる仏様ではないでしょうか。

お不動さまのどんな怒りの表情も、その根底に流れているのは慈悲の心です。
2017年が、人と人とが心の底で確かなつながりを感じられる年になれば良いと思っています。